マッスルメモリーは本当に実在した!戻るまでどのくらい?メモリーの期間は何年?しばらくサボっていたあなたも筋トレを再開しよう!

マッスルメモリー

「マッスルメモリー」って言葉、聞いたことありませんか?
一度鍛えた肉体は、しばらく鍛えるのを止めて衰えてしまっても、筋トレを再開すればすぐに取り戻せるというアレです。

なんだか、うさんくさい話ですよね?
「マッスルメモリーなんて本当にあるの?」
こんな疑問を感じている人は多いのではないでしょうか。

しかし、実はマッスルメモリーは実在していて、しかも科学的な根拠がキチンとあるんです!
しばらく筋トレから遠ざかっていた人も、ご安心ください。
筋トレを再開すると、すぐにまた元のマッチョな体に戻れますよ!

それだけではなく、マッスルメモリーを利用すると、前よりももっとマッチョな肉体になれる可能性だってあるんです。

そこで今回は、筋トレ愛好家が気にしているマッスルメモリーについて、詳しく解説していきます!

この記事でわかること

  1. マッスルメモリーは実在する
  2. 筋肉の成長には筋肉細胞の核の数がカギとなっている
  3. マッスルメモリーの正体は筋肉細胞の核の数を保存するシステム
  4. ただしマッスルメモリーの定着には少なくとも1年程度は筋トレを続ける必要がある
  5. 筋トレ再開後は以前よりもさらに筋肉を大きくできる可能性が高い
  6. マッスルメモリーは少なくとも10年は完全な形で保存されていると考えられる

マッスルメモリーとは

過去に筋トレで体を鍛えたことがある人は、再開してから急激に筋肉量が戻るので、まるで筋肉の状態を記憶するシステムが体内にあるかのように考えられていました。そこで、この現象が「マッスルメモリー」と呼ばれるようになったのです。

筋力トレーニングを数年間続けて筋力が上がっても、数ヶ月以上筋トレから離れると、筋肉量は少しずつ減っていきます。
しかし、数年後筋トレを再開するときにまたゼロからの再スタートなのかというと、実はそうではありません。

筋トレを再開してから数ヶ月くらいで、全盛期の状態に筋肉を戻すことができるのです。

マッスルメモリーの原理とは?

そもそも、筋トレをするとなぜ筋肉が大きくなるのでしょうか?

筋肉に強い刺激を与えることで筋肉が損傷し、それを修復する過程で以前よりも大きな筋肉になって回復する、という理論が一般的によく解説されています。
これは「超回復理論」と呼ばれています。

確かに、超回復理論は筋肉を大きくする方法を分かりやすく説明できているのですが、それだけでは不十分な点があります。
筋肉自体がどうやって大きくなるのかを説明できていないからです。
それを理解するためには、もう少し踏み込んだ知識が必要になります。

筋肉はどうやって大きくなるのか

筋肉という物の正体は、タンパク質でできた単純な肉の塊というわけではありません。
筋肉は複雑な筋肉細胞から構成されていて、その細胞はたくさんの「核(DNAを含む細胞核)」が入っています。
核が筋肉細胞を支配しており、筋トレをするとその核が筋肉細胞を大きくします。

しかし、1つの核の影響力が及ぶ範囲には限界があるので、一定の体積以上には筋肉細胞を大きくすることができません。
今のところ、筋繊維が10%ほど太くなるとこの限界に達すると考えられています。

では、その筋肉細胞が限界まで大きくなったら、次はどうなるのでしょうか。

細胞は核の数自体を増やしていくのです。

増殖した核は、またそれぞれ先ほどのように自分の支配領域の筋肉細胞を大きくしていきます。
このプロセスの繰り返しによって、筋肉は大きくなっていくのだと考えられています。

つまり、筋トレで一番大切なのは、筋細胞の核の数を増やすことなのです。これは決して簡単なことではありません。

数ヶ月程度のトレーニングでは不十分で、少なくとも半年から1年以上はトレーニングを続けることが必要です。

参考:筋肉の構造と筋収縮の仕組み(筋原繊維とフィラメント)

参考:石井直方のPhysical Training

マッスルメモリーとは核の数を保存すること

筋肉細胞の核を増やすのは大変です。
でも、現在の核の数を保存できるとしたら、とても便利だと思いませんか?

苦労して増やした数を保存しておければ、再開したときも楽に進められます。

つまりマッスルメモリーとは、筋肉細胞が増えたままになっていること。よって筋トレを再開すると落ちた筋肉が元通りになりやすい。

人間の体は合理的なものなので、生活に不要な物はどんどん省いていきます。
筋トレを止めてしまうと、体は大量の維持費が掛かる大きな筋肉はもう必要ない判断するので、不要な筋肉細胞が縮んで筋肉はどんどん減っていきます。

ところが、2010年に行われたBruusgaardらの研究で、筋肉細胞が萎縮しても、それまでに増えた核の数は長期間減らない、ということが実証されたのです。

つまり、筋トレを再開した後も核の数がそのままなので、一番大変な核を増やすという作業を飛ばして、筋肉をどんどん増やしていけるということです。
これがマッスルメモリーのメカニズムで、ちゃんと実在しているんです!

参考:”Bruusgaard, et al. Myonuclei acquired by overload exercise precede hypertrophy and are not lost on detraining”PNAS August 24 2010; 107 (34) 15111-15116.

マッスルメモリーの効果によって以前よりもさらに筋肉を大きくできる可能性も

実は、マッスルメモリーを利用すると、以前よりもさらに筋肉を大きくできる可能性もあります。

イギリスのキール大学、リバプール・ジョン・ムアーズ大学、ノーザンブリア大学、およびマンチェスター・メトロポリタン大学の共同研究によって、その可能性が示唆されました。

この研究では、筋力トレーニング未経験の男性を対象に、週3回の筋トレを7週間続けさせ、次に7週間のインターバルをとらせ、さらに再び週3回の筋トレを7週間続けさせました。

その結果、やはり筋トレで大きくなった筋肉は、7週間のインターバル後にはほとんど元の状態に戻ってしまっていました。
しかし、トレーニングを再開した後は、順調に筋肉が戻っていくだけではなく、最初の7週間よりさらに筋肉が大きくなったのです!

具体的なデータを挙げると、最初のトレーニングでは筋肉量が6.5%増加し、インターバルの期間ではトレーニング前の状態に戻り、再トレーニングによって筋肉量が12.4%増加しました。
つまり、再開後は最初のトレーニングのおよそ倍近くも筋肉を増やすことが出来たのです。

DNAのエピジェネティクスが関係している

これにはDNAの「エピジェネティクス」と呼ばれる、DNAを変更しない遺伝子情報の変更システムが関わっています。
その遺伝子情報のスイッチとして、メチル化および脱メチル化と呼ばれる化学変化が起こり、メチル化のときに遺伝子がオフになり、脱メチル化のときに遺伝子がオンになります。

筋トレによって筋肉細胞中のDNAが脱メチル化することによって筋肉量が増加します。
インターバル期間中にメチル化して元に戻る細胞もありますが、脱メチル化の状態を維持するものもあります。

インターバル中も以前の状態を維持し続けている筋細胞があるのです。
いずれの場合も、トレーニング再開後にさらに大きな脱メチル化が起こることが分かりました。

つまり、筋トレは一定の期間ごとにまとまった休養期間をとるほうが、より効率的かつ大きく筋肉を成長させられる可能性があるかもしれないのです。

参考:「マッスルメモリー」は遺伝子レヴェルで実在していた──「運動の記憶」がDNAに刻まれるメカニズムが判明

マッスルメモリーの有効期限はまだ答えが出ていない

マッスルメモリーが実在することは科学的にキチンと証明されたわけですが、もうひとつ気になることがあります。

マッスルメモリーはどれくらい続くのでしょうか?
つまり、筋肉細胞の中で増えた核は、いつまで存在し続けてくれるのでしょうか?

実は、これに関してはいくつかの仮説があるものの、科学的にはっきりと答えが示されているわけではありません。
しかし、先ほど紹介した石井直方教授の研究によれば、マッスルメモリーは少なくとも10年はもつようです。

筋肉細胞の核は筋トレによって徐々に数を増やしていくため、減るときも徐々に数を減らしていくと考えられます。
したがって、少なくとも10年間は完全な状態でマッスルメモリーが保存されていると考えるなら、その有効期間は数十年に及ぶと考えても良いと思います。

参考:「過去の筋トレの成果は10年先まで残る? 第46回 筋肉を成長させるメカニズム(1)」

マッスルメモリーを活用して昔の美しい肉体を取り戻そう!

筋トレを続けることで、私たちの肉体は進化します。
筋トレの厳しい環境に耐えるために培われた筋肉は、その後筋トレから離れてしまっても、体の奥深くに消えることなく眠っています。

したがって、怪我や病気でトレーニングから離れざるを得ないときでも、心配は要りません。
長期間旅行するときは、ジムに行くことは考えずに、たっぷり旅行を満喫しましょう。
5年や10年程度筋トレをしない時期があっても、体はちゃんと昔のことを覚えていてくれます。

筋トレを再開すると、みるみるうちに昔の美しい肉体を取り戻すことができます。
しかも、再開した後は以前よりもさらに逞しい体になることができます。
マッスルメモリーとは、厳しい環境を生き抜くために身につけた、人間の「進化の賜物」なのです。

また、若い頃に体をしっかり鍛えていた人は、年を取ってからも筋肉が衰えにくく健康に過ごせるといわれています。
今トレーニングを積んでおくことは、将来の自分の大きな資産になります。
しかも、お金のように突然無くなってしまうこともありません。

マッスルメモリーに、新しい筋肉をどんどん刻んでいきましょう!

まとめ:マッスルメモリーは実在する。おやすみしていたアナタも筋トレを再開して昔のカラダに戻ろう!

多くの筋トレ愛好家が気になっている「マッスルメモリー」について、詳しく解説してきました。いかがでしたか?

マッスルメモリーなんて嘘っぽいと思っていたアナタ、実は違うんです!
マッスルメモリーはちゃんと存在していて、科学的にも実証されています。

今回のまとめ

  1. マッスルメモリーは実在する
  2. 筋肉の成長には筋肉細胞の核の数がカギとなっている
  3. マッスルメモリーの正体は筋肉細胞の核の数を保存するシステム
  4. ただしマッスルメモリーの定着には少なくとも1年程度は筋トレを続ける必要がある
  5. 筋トレ再開後は以前よりもさらに筋肉を大きくできる可能性が高い
  6. マッスルメモリーは少なくとも10年は完全な形で保存されていると考えられる

皆さんもマッスルメモリーを活用して、どんどん筋肉を成長させましょう!

病気でしばらく筋トレが出来ていなかったり、あるいはサボってしまって最近筋トレがご無沙汰になっているアナタ!

マッスルメモリーによって以前よりも簡単に筋肉がつきます、ぜひとも筋トレを再開しましょう!

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