身体全体はそれほど太くないのに、なぜかお腹だけが出てしまうことがあり、実際に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
特に、中年以降は体脂肪が蓄積しやすくなるので、体重の割にお腹だけがどんどん出てしまいやすくなります。その原因としてはいくつかのものが考えられますが、いずれも生活習慣が原因となっています。
再びスリムな体型を取り戻すには、その生活習慣を改善してお腹の体脂肪を撃退する必要があります。
それには食事制限や有酸素運動も有効なのですが、太りにくい体質を手に入れるためには筋力トレーニングが最も効果的です。
今回は、お腹だけが出てしまう原因とその対処方法について、次のポイントを詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 中年になると基礎代謝が低下するため、体脂肪が蓄積してお腹が出やすくなる
- 体幹の筋肉量低下による内臓の下垂も、ぽっこりお腹の原因になる
- ストレスによる暴飲暴食で摂取カロリーが増えると、体脂肪がどんどん蓄積していく
- 有酸素運動は筋肉量も減ってしまうので、太りやすい体質の改善にはならない
- 筋肉量を増やすことによって、基礎代謝を高めて体脂肪を減らすことができる
- 自宅で手軽に実践できるスロートレーニングを実践して、腹筋と体幹の筋肉を鍛えよう
- スロトレと有酸素運動の順番で組み合わせると、ダイエット効果がさらに高まる
- 食事制限は過激な糖質制限ではなく、緩やかな低糖質と低脂質、豊富なタンパク質摂取を目指そう
- 朝食をしっかり摂取して夕食を食べ過ぎないようにするなど、健康的な生活リズムを心掛けよう
Contents
ぽっこりお腹の原因はいくつかあるが、筋肉量を増やすことで改善できる
中年太りという言葉があるように、40歳を過ぎると多くの人が少しずつ太っていきます。
しかし、身体全体が太るのではなくお腹だけが出てくることが多いので、スタイルが非常に悪くなってしまいます。
そもそも、なぜお腹だけが集中的に太ってしまうのか、考えれる次の原因から詳しく見ていきましょう。
中年になると基礎代謝が低下するため、体脂肪が蓄積しやすくなる
実は、体脂肪が最も蓄積しやすいのはお腹周りなので、体脂肪率が高くなると必ずお腹が出てきます。体脂肪蓄積の大きな原因は基礎代謝の低下で、これは内臓機能や筋肉量の低下によるものです。
特に、40歳を過ぎたあたりから基礎代謝が急激に低下していくので、身体が消費するカロリーも少なくなっていくのです。
体脂肪の蓄積と最も関連性が高いのはカロリー収支で、摂取カロリーが消費カロリーを上回るときに、余分なカロリーが体脂肪として蓄積されてしまいます。
なぜエネルギーが体脂肪になるのかというと、体脂肪は最も貯蔵効率の良い物質だからです。糖質やタンパク質が1gあたり4kcalのカロリーしか生み出さないのに対し、脂質は1gあたりなんと9kcalなので倍以上も効率が良いのです。
加齢によって基礎代謝が落ちると、たとえこれまでと同じ食事量や運動量であったとしても、安静時のエネルギー消費量が低下するため、結果的にカロリー収支はどんどんプラスに傾いていきます。
そうなると、たとえ自分では今までと同じ生活習慣を続けているつもりでも、体脂肪の蓄積が増えてお腹だけが出てくるのです。
また、筋肉には各部位の血液を心臓へ送り返すポンプのような役割もあり、加齢でこの機能が衰えると血流が滞りやすくなるので、冷え性や肩凝りの原因になります。
体幹の筋肉量低下によって内臓の位置が下がってしまう
お腹が出るのは脂肪の蓄積だけが原因ではなく、体幹の重要な筋肉が衰えることでも起こります。体内の各種器官は浮いているのではなく、インナーマッスルによって支えられています。
インナーマッスルとは身体の深層にある筋肉で、身体の表面から触ることができないので、普段はなかなか意識することがありません。
しかし、インナーマッスルは極めて重要な筋肉で、この筋力が低下すると姿勢が歪んで首や腰が痛くなる他に、内臓を支える力も低下して胃や腸などの消化器官が垂れ下がってしまいます。
こうなると、下腹がぽっこり出てしまう原因になるだけではなく、内臓の機能が低下して基礎代謝もさらに悪化して、体脂肪が蓄積しやすくなるのです。
先ほども触れたように、中年以降になると基礎代謝が低下しますが、その最も大きな原因は筋肉量の減少です。インナーマッスルの筋肉量が減ることは、表面のアウターマッスルの減少にも繋がり、基礎代謝の更なる低下を招きます。
そのため、筋肉量の低下と内臓下垂は悪循環をもたらすので、これらはセットで考えて対策を取るべきなのです。
ストレスによる暴飲暴食で摂取カロリーが増えてしまう
中年以降は家庭や社会での責任が増してくるため、ストレスを感じることが多くなります。若い頃は肉体と精神にそれなりの耐性があるため、ストレスを感じても身体が大きな影響を受けることはあまりありません。
しかし、年齢を重ねるとストレスを溜め込んでしまうことが増えるため、ドーパミンやコルチゾールなどのホルモンが過剰に分泌されてしまいます。
ドーパミンには食欲を増大させる働きがあり、コルチゾールには体内に体脂肪や水分など生命維持に必要な物質を溜め込む働きがあります。
いずれの反応もすべて生命維持という観点から行われるのですが、これはストレスが身体に大きな悪影響を与え、それに対抗するために身体が多量のエネルギーを必要とするからです。
これらのホルモンの相乗効果によって、ストレスが蓄積すると暴飲暴食を繰り返して、体脂肪がどんどん蓄積していってしまうのです。
前述したように、そもそも中年になると筋肉量も基礎代謝も低下して、体脂肪が増えやすい体質になります。それに暴飲暴食も加わると、体内で消費しきれないカロリーが多すぎるので、体脂肪だけがどんどん増えていきます。
こうして体型が悪くなっていくと見た目に対するある種の諦めが生じてしまい、ダイエットが面倒くさくなってしまいます。
お腹やせを達成するには、筋トレが最も効果的
年齢を重ねると筋肉量や基礎代謝が低下するので、たとえ今までと同じ生活習慣を続けていたとしても、体脂肪が蓄積しやすくなります。体脂肪のほとんどはお腹周りにつくので、身体全体はそれほど太くないのにお腹だけが出てしまうのです。
こうした問題を解決するには有酸素運動が効果的だと考えられていますが、実はそれは正しくないので注意が必要です。
有酸素運動は筋肉量も減るので、体質の改善にはならない
有酸素運動は確かにダイエットに効果的で、最も早く理想の体型に到達することができます。
しかし、理想の体型は必ずしも理想の体質に一致するわけではないので、有酸素運動を続けても脂肪がつきにくい体質にはならないのです。これまで解説してきたように、そもそもお腹だけが出てくるのは、筋肉量や基礎代謝が低下してしまった体質が原因なのです。
つまり、こういった体質を改善しない以上は、いつまでも健康的な身体になることはできません。有酸素運動を続けると体脂肪がどんどん燃焼されるため、体重は減っていきます。
しかし、体脂肪と一緒に筋肉量もどんどん減るため、ダイエットが成功したとしても基礎代謝はさらに下がり、むしろ太りやすい体質になってしまうのです。
そうなると、ダイエットが成功して通常の生活に戻った後、また元の太った体型に戻るというリバウンドのリスクが高くなります。それを防ぐためには、有酸素運動で短期的な体脂肪減少を目指すのではなく、筋肉量を増やして基礎代謝を高めることによって、長期的に痩せやすい身体を目指す方が効果的です。
そのためには、筋トレを行って体幹の筋肉を集中的に鍛えていく必要があります。
筋肉量を増やすことによって体脂肪を減らすことができる
中年以降に体脂肪が増えてお腹が出てしまうのは、加齢によって筋肉量と基礎代謝が低下してしまうことが原因です。
したがって、有酸素運動を行って体脂肪を減らしたとしても、筋肉量も一緒に減るため結果的には太りやすい身体になってしまうのです。お腹痩せを達成してスタイルの良い身体を手に入れるためには、筋肉をつけて体脂肪を減らすことが大切です。
筋肉には、瞬発力を発揮する速筋と持久力の高い遅筋がありますが、サイズが大きくなって筋肉量が増えるのは速筋繊維です。有酸素運動を続けると遅筋を鍛えることはできますが、筋肉そのものはあまり大きくならないため、基礎代謝の改善には効果的ではありません。
筋肉を大きくするということは、自動車のエンジンを大きな物に積み替えるのと同じことです。身体で消費するエネルギーが増えるため、同じ食事量でも太りにくくなるのです。
ところが、筋肉には「サイズの原理」というものがあり、運動時はまずサイズの小さな筋肉から動員されるため、サイズの大きな速筋繊維は運動強度が高くなってからようやく動き始めます。
日常生活や有酸素運動では小さな遅筋繊維が活用されるので、速筋繊維はなかなか鍛えられません。そのため、速筋繊維を効果的に鍛えるためには、速筋繊維が活用されるような負荷の強い運動を行う必要があります。
自宅で手軽に実践できるスロートレーニングがオススメ
どうせ身体を鍛えるなら、ウエイトトレーニングを本格的にやってみたいという方もいらっしゃるはずです。そういうやる気のある方は、ジムに通ってベンチプレスやスクワットなどを続けると、筋肉量や基礎代謝がどんどん増えていき、次第に体脂肪は減っていきます。
もちろんウエイトトレーニングは自宅でも出来るので、バーベルやダンベルなどのシステムを揃えてホームジムで鍛えるのも効果的です。
しかし、多くの方はわざわざ時間と手間を使ってまで、厳しいウエイトトレーニングなどをしたいとは思わないのではないでしょうか。
そこで、自宅でも気軽に短時間で筋肉を鍛えられる方法として、近年注目を集めている「スロートレーニング」がオススメです。スロートレーニングとは、長時間力を発揮し続けることで筋肉の内圧を高めて、疲労物質の蓄積によって筋肥大効果を高めるテクニックです。
筋肉を大きくするためには、筋肉に強い刺激を与えることで、筋肉が成長しなければならないという必然性を作る必要があります。
そのために最も効果的なのが、高負荷を扱って物理的な刺激を与えるウエイトトレーニングです。その一方で、疲労物質を大量に蓄積させるという化学的な刺激を与えるスロートレーニングでも、ウエイトトレーニングと同等の筋肥大効果を得られることが分かっています。
スロートレーニングを活用してお腹痩せを達成しよう
身体全体はそれほど太いわけではないのにお腹ばかり出てくるのは、加齢による基礎代謝の低下が大きな原因です。そういった太りやすい体質を改善するためには、基礎代謝を上げるのが最も効果的なのですが、ウエイトトレーニングによる激しい運動はなかなか続けられない人も多いはずです。
そこで、比較的軽い負荷でも筋肉を成長させることができる、次のようなスロートレーニングにチャレンジしてみましょう。
- スロークランチで腹筋上部を集中的に鍛えよう
- スローレッグレイズで下腹部を集中的に鍛えよう
- スロースクワットで体幹と下半身を鍛えよう
スロークランチで腹筋上部を集中的に鍛えよう
お腹の体脂肪を撃退するためには、やはりお腹の筋肉を鍛えることが効果的です。
前述したように、中年以降にお腹が出てしまうのは単に体脂肪の問題だけではなく、体幹の筋肉量が低下して内臓などの器官を支えきれなくなるからです。
「スロークランチ」で腹筋の上部を鍛えることで、お腹周りの筋肉のベースをつくることができます。
- 床にマットなどを敷いて仰向けになり、両膝を軽く曲げる
- 両手を胸に組んで肩を少し上げた状態がスタートポジションになる
- 視線はへそのあたりに向けて、3秒間かけて上体を丸めるように起こす
- 上体が十分に丸まったら、3秒間かけて上体を下ろしていく
- 肩が床につく直前で止めて、3〜4の動作を10回くらい繰り返す
スロークランチの最大のポイントは、3秒間かけて上体を起こし、さらに3秒間かけてゆっくり上体を下ろしていくことです。
全てのスロートレーニング種目の特徴ですが、筋肉への負荷が抜けないように常に圧力をかけ続けることで、筋肥大の効果を高められます。
したがって、肩や頭を床につけないように意識して、その直前で動作を反転するのがポイントです。
この動作が簡単にできる場合は負荷が不足しているので、いくらスロートレーニングとはいえ筋肥大の効果は低くなります。
その場合は、両手を後頭部の後ろで組むようにすると、少しだけ負荷を強めることができます。それでも負荷が足りない場合は、頭の後ろにダンベルやバーベルのプレートを持って行うと負荷を強めることができます。
スローレッグレイズで下腹部を集中的に鍛えよう
スロークランチを行えば腹筋の上部を集中的に鍛えることができますが、腹筋の下部はあまり鍛えられません。
体脂肪が蓄積したぽっこりお腹の原因は下腹部のゆるみなので、スタイルの良いお腹周りを手に入れるためには、腹筋の下部を鍛えることが欠かせません。
そこで、「スローレッグレイズ」を行って腹筋下部を集中的に鍛えましょう。
- 床にマットなどを敷いて仰向けになり、揃えた両足を少しだけ上げたところがスタートポジション
- 3秒間かけて両足をゆっくり持ち上げていき、お尻が浮くくらいになったら止める
- 3秒間かけて両足をゆっくり下ろしていき、足が地面につく直前に止める
- 2〜3の動作を10回くらい繰り返す
運動に慣れてきたら、お尻を少し浮かせるくらいまで両足を上げるようにするとより効果的です。
また、このトレーニング種目では腹筋下部の他に、大腰筋という腰のインナーマッスルを鍛えることができます。
ここを鍛えると腰痛の防止やお尻のシェイプアップに効果的なので、スローレッグレイズは積極的に行っておくと良いでしょう。
スロースクワットで体幹と下半身を鍛えよう
前述したクランチとレッグレイズをそれぞれ週2〜3回行うと、腹筋を満遍なく鍛えてお腹周りのたるみを改善することができます。
しかし、基礎代謝を上げるためには腹筋という小さな筋肉を鍛えるだけでは不十分なので、全身の大きな筋肉を鍛える必要があります。
そのために、腹筋のトレーニングと併せて「スロースクワット」を行うと、体幹や下半身の大筋群を鍛えて筋肉量と基礎代謝を高めることができます。
- 両手を頭の後ろで組み、足を肩幅より少し広めに開く
- 太ももが床に平行になる程度に膝を曲げたところがスタートライン
- 3秒間かけてゆっくり膝を伸ばしていき、膝が伸びきる前で止める
- 3秒間かけてゆっくり膝を曲げて腰を下ろしていく
- 太ももが床に平行になるくらいに膝が曲がったら、3〜4の動作を繰り返す
スクワットは下半身の筋肥大効果が高い種目ですが、同時に腰や膝を痛めてしまいやすい種目なので注意が必要です。
トレーニング動作を通して、背筋は真っ直ぐ伸ばし続けることを意識すると腰を痛めません。膝が痛んでしまう場合は、上体を少し前に倒してお尻を後ろに引くようにして、膝を真っ直ぐ下ろすと膝への負担を軽減できます。
体脂肪率を下げるコツを活用してお腹痩せを促進させよう
これまで解説してきたように、中年以降の悩みの種となるお腹の体脂肪蓄積を解消するためには、有酸素運動よりも筋トレの方が効果的です。
特に、運動初心者でも自宅で気軽にできる方法として、スロートレーニングを行うのがオススメです。
さらに、次のようなポイントを実践してみると、お腹痩せをさらに促進させることができます。
- スロートレーニングと有酸素運動を組み合わせるとさらに効果的
- 運動と食事制限の組み合わせには完璧なダイエット効果がある
- 飲酒を控えて余分な体脂肪が蓄積しないようにしよう
- 朝食をしっかり摂取するなど健康的な生活リズムを心掛けよう
スロートレーニングと有酸素運動を組み合わせるとさらに効果的
無酸素運動と有酸素運動は、それぞれにメリットとデメリットがあります。無酸素運動は筋肉量を増やして基礎代謝を上げることができるため、痩せやすい身体をつくることができます。
その一方で、有酸素運動は体脂肪を直接燃焼することができるので、短期間で体脂肪を減らすことができます。
しかしながら、冒頭でも触れたように有酸素運動を単独で行うと、体脂肪と一緒に筋肉量も減るので、結果的に痩せにくい身体になってしまうのが大きな問題でした。そこで、スロートレーニングと有酸素運動を組み合わせることで、素早い体脂肪の燃焼と基礎代謝の向上を両立させることができるのです。
つまり、なるべく早く痩せてしかもリバウンドのリスクを抑えたい場合は、スロートレーニングと有酸素運動を組み合わせるのが最適なのです。
それぞれの運動を別々の日に行う場合は問題ないのですが、同じ日に連続して双方の運動を行う場合は順番に注意が必要です。
「スロトレ→有酸素運動」の順番で行うと、体脂肪の分解と燃焼の行程を促進させることができますが、反対にしてしまうと両方の運動効果が低下するので注意が必要です。言い換えれば、これらの運動を別の日に行うよりも、スロトレ→有酸素運動の順番で連続して行うと、体脂肪の燃焼効果が非常に高くなるということなのです。
運動と食事制限の組み合わせには完璧なダイエット効果がある
現在はダイエットに効果的な食事制限法として糖質制限が大きな注目を集めていますが、糖質制限はネット上で間違った方法が蔓延しているため、正しい知識を身に付けて行わないと危険です。
そもそも、無酸素運動と有酸素運動というしっかりした運動を行う以上、過激な糖質制限を行うと運動効果が低下してしまいます。そこで、お腹痩せのための食事制限では、緩やかな糖質と脂質制限、さらに豊富なタンパク質摂取を組み合わせるのが効果的です。
例えば、食事の時にご飯を1杯以上食べている場合は、ご飯をお茶碗8分目に抑えるだけでも効果的です。
ラーメンや揚げ物のような高脂質な食事をよく食べる場合は、それを週1回だけ食べるように控えるだけで、摂取カロリーを大幅に抑えることができます。スナック菓子やスイーツ、ファーストフードなどをよく食べる場合も、ストレスが溜まらない程度に減らす努力をしましょう。
ただし、タンパク質の摂取量はむしろ多めにするように意識することが、運動の効果を高めるためには大切です。無酸素運動で筋肉を成長させるためには、豊富なタンパク質が欠かせませんし、何よりも筋肉量を維持するためにはタンパク質が必要です。
特に、近年の日本人の食生活はタンパク質の摂取量が少なすぎるので、「体重×1.0〜1.5g」のタンパク質摂取量を目指しましょう。低脂質との両立を達成するため、脂身の多い牛肉や豚肉ではなく、鶏のササミや胸肉を積極的に活用するのがオススメです。
飲酒を控えて余分な体脂肪が蓄積しないようにしよう
お酒はエンプティカロリーだから太らないと言われていますが、これはひどい誤解なので注意が必要です。お酒に含まれるアルコールには1gあたりなんと7kcalもあり、これは脂質に匹敵するエネルギー量です。
さらに、お酒を飲むとどうしてもおつまみを食べたくなりますが、このおつまみがまた高糖質・高脂質なものばかりなので、飲酒はダイエットの大敵なのです。
とはいえ、やはり社会人は仕事の付き合い上、どうしてもお酒を飲まなければならないことがあります。そんなときはお酒やおつまみを楽しんでも構いませんが、少なくともお酒を飲み過ぎないことと、おつまみにヘルシーな物を選ぶことは心掛けるようにしましょう。
また、お酒を楽しんだ翌日はいつも以上に糖質と脂質を減らすような、帳尻合わせの努力も大切です。
朝食をしっかり摂取するなど健康的な生活リズムを心掛けよう
「朝食を抜くと摂取カロリーを減らすことができるのでダイエットに効果的」などと解説しているウェブサイトは少なくありませんが、これは完全に誤った情報なので要注意です。
確かに、朝食を抜くと摂取カロリーは減るのですが、痩せるどころかむしろ太りやすくなることが分かっています。その原因は、朝食を抜くことで体内時計のリズムが崩れ、身体が脂肪を溜め込む状態になるからです。
睡眠時は夕食から長い時間が経過しているため、身体はエネルギー不足に陥っています。そのため、身体は自然とエネルギーを節約すると同時に、体脂肪を蓄積しやすい省エネモードになっています。朝ご飯を食べたときに、身体が活動のモードに切り替わって基礎代謝が高まります。
つまり、朝ご飯を食べないと午前中はずっと身体が脂肪を蓄積しやすい状態になるのです。
また、夕食後は身体の活動が穏やかになって基礎代謝が低下するため、夕食に糖質や脂質の摂取量が多いと太りやすくなります。
体脂肪を溜め込む働きをする遺伝子である「BMAL1(Brain and muscle Arnt-like protein-1、ビーマルワン)」の活動は、午前ではなく夜間に高まるので、むしろ朝食と昼食をしっかり摂って夕食を控える方がダイエットには効果的なのです。
日本人の食生活は朝食と昼食をいい加減にして、夕食でとにかく多く食べているので、実は非常に不健康な生活習慣なのです。
さらに、近年ではスマートフォンの普及で1日ずっと使い続けているような人が増えていますが、スマホへの依存は極めて不健康的だということに留意しておきましょう。
特に、歩きスマホによって姿勢が著しく歪んでいきますし、夜間のスマホは画面のブルーライトを至近距離で浴びるため、あたかも朝になったように脳が勘違いするので体内時計が乱れます。
前述したように、体内時計の乱れは基礎代謝の低下を招くだけでなく、睡眠の質も低下させてしまうので、就寝の1時間前までにはスマホの使用を止めることが望ましいのです。
仕事や付き合いの都合上、どうしても深夜に就寝するという生活が続くことがあるかもしれません。睡眠時間が短いのは仕方のないことなので、せめて睡眠の質を高くするために、夜間のスマホは控えるようにしましょう。
手軽なスロートレーニングを活用して、お腹の脂肪を撃退しよう
今回は、お腹だけが出てしまう原因とその対処方法について、次のポイントを詳しく解説してきました。
今回のまとめ
- 中年になると基礎代謝が低下するため、体脂肪が蓄積してお腹が出やすくなる
- 体幹の筋肉量低下による内臓の下垂も、ぽっこりお腹の原因になる
- ストレスによる暴飲暴食で摂取カロリーが増えると、体脂肪がどんどん蓄積していく
- 有酸素運動は筋肉量も減ってしまうので、太りやすい体質の改善にはならない
- 筋肉量を増やすことによって、基礎代謝を高めて体脂肪を減らすことができる
- 自宅で手軽に実践できるスロートレーニングを実践して、腹筋と体幹の筋肉を鍛えよう
- スロトレと有酸素運動の順番で組み合わせると、ダイエット効果がさらに高まる
- 食事制限は過激な糖質制限ではなく、緩やかな低糖質と低脂質、豊富なタンパク質摂取を目指そう
- 朝食をしっかり摂取して夕食を食べ過ぎないようにするなど、健康的な生活リズムを心掛けよう
中年になると基礎代謝と筋肉量が低下するため、今までと同じ生活習慣でも体脂肪が蓄積してお腹がどんどん出てきます。これを解消するためには、有酸素運動ではなく筋力トレーニングで筋肉量を増やすのが効果的です。
高負荷のウエイトトレーニングは大変なので、自宅で気軽に続けることができるスロートレーニングがオススメです。スロートレーニングはゆっくり筋肉に負荷をかけ続けて行うことで、低負荷でも大きな筋肥大効果を得ることができます。
また、スロートレーニングの後に有酸素運動を行うことで、体脂肪の分解と燃焼のリズムを促進して、ダイエット効果をさらに高めることができます。
食事制限を行う場合は、過激な糖質制限では筋肉が成長しなくなってしまうので、緩やかな低糖質・低脂質・高タンパクな食事を心掛けるようにしましょう。
朝食をしっかり食べて夕食を控えめにして、夜間のスマホを控えて睡眠の質を高めるなど、健康的な生活リズムを身に付けることも、太りにくい身体を手に入れるために必要です。スロートレーニングを上手に活用して、お腹の体脂肪を撃退していきましょう。
以上、「お腹痩せ出来る確実な方法とは?筋トレと有酸素運動で脂肪を撃退するやり方」でした!