筋トレしない日に飲むプロテインの、最も効果が高くなる量とタイミングとは

プロテインの量

筋トレで筋肉を大きくしていくためには、プロテインの摂取が欠かせません。
そのため、トレーニングをする日は特に、多くのプロテインを摂取するようにすべきだと言われています。
では、筋トレをしていない日のプロテイン摂取は、どうすればいいのでしょうか?

実は、トレーニングをしていない日でも、超回復や筋肉量の維持のためにタンパク質が必要なので、プロテインを摂取する必要があります。

特に、激しいトレーニングの翌日は、まだ身体が多くのタンパク質を必要としている時期です。
筋肥大の効果を最大限に高めるためには、適切なプロテイン摂取スケジュールが必要になります。

せっかく筋トレを頑張るなら、できるだけ効果的に筋肉を大きくしていきたいですよね。
そこで今回は、筋トレをしない日のプロテイン摂取スケジュールについて、次のポイントを詳しく解説していきます!

この記事でわかること

  1. 筋トレをしない日のプロテイン摂取は、「筋トレ翌日」と「筋トレ翌々日以降」に分けて考える
  2. 筋トレをすると「筋タンパク質の合成感度」が高まり、少なくとも24時間はその状態が続く
  3. 筋肥大の効果を最大限に高めるプロテインの摂取スケジュールは、「3時間ごとに20g
  4. 筋トレの翌日は「体重×1.4〜1.7g」のタンパク質を摂取して、筋肥大をサポートしよう
  5. 筋トレの翌々日以降は「体重×1.0〜1.4g」程度のタンパク質に抑えて、内臓を休ませよう
  6. 筋トレ翌日は3〜4回に分けてプロテインを摂取すると、筋肥大と健康面のバランスが良くなる
  7. 筋トレ翌々日以降は2回プロテインを摂取すれば十分で、筋肉量を維持しつつ内臓を休ませることができる

筋トレをしない日のタンパク質摂取量は、そのときの状況に応じて柔軟に設定しよう

筋トレをすると、筋肉の素材となる筋タンパク質の合成感度が高まります。
この合成感度が高まったところに、タンパク質を十分に摂取することで、筋タンパク質が合成されて筋肥大が行われます。
つまり、筋トレとタンパク質の摂取はセットであり、どちらが欠けても筋肉は大きくならないのです。

しかも、こういった筋タンパク質の合成感度の高い状態は、少なくともその後24時間は続くことが分かっています。
したがって、ひとくちに「筋トレをしない日のタンパク質摂取量」といっても、前回のトレーニングからの経過日数によって、身体が必要とするタンパク質の量が異なることになります。

大まかに分けると、

に分類することができます。

まずは、考えられるこれらの状況に応じて、1日あたりのプロテイン摂取量を考えていきましょう。

筋トレの翌日は体重×1.4〜1.7gのタンパク質を摂取して、筋肥大をサポートしよう

筋トレをする日の理想的なタンパク質摂取量は、体重1kgあたり1.4〜2.0gだと考えられています。
これは、アメリカのボディビルディング界の権威である「国際スポーツ栄養学会(ISSN)」が提唱して、さらにハーバード大学などの研究機関がその安全性も認めている摂取量です。

これ以上のタンパク質を摂取しても、筋肥大の効果が高くなるわけではなく、逆に内臓への負荷が高まるために腎臓へのダメージが懸念されます。
そのため、ハードなトレーニングをした後でも、タンパク質は「体重×1.4〜2.0g」の範囲で摂取するのが最適だというのが、数々の研究から導かれた結論です。

このことから、筋トレ翌日に摂取すべきタンパク質の量を考えることができます。
前述したとおり、筋トレ翌日も身体が筋タンパク質を合成する感度は高いので、通常よりも多めのタンパク質を摂取する必要があります。

ただし、筋トレをしないために「筋トレ直後のプロテイン」が不要なので、その分だけプロテインの摂取量は少なくなります。
したがって、筋トレ翌日に摂取すべきタンパク質量は、筋トレ当日よりは少なめの「体重×1.4〜1.7g」程度が適切になるのではないかと考えられます。

参考:International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise

筋トレの翌々日以降は体重×1.0〜1.4g程度のタンパク質に抑えて、内臓を休ませよう

筋トレの翌日は、筋タンパク質の合成感度の高い状態が続いていますが、それ以降は元の状態に戻っていきます。
したがって、筋トレの翌々日以降に大量のタンパク質を摂取しても、あまり意味のないことが分かります。
そのため、筋肉の維持に必要なだけのタンパク質を摂取するようにしましょう。

ハードな筋トレは筋肉だけではなく、内臓にも負担の掛かる運動です。
特に、筋トレ当日はタンパク質の摂取量も増えるので、内臓への負担が強い状態になります。
お酒を飲むのが好きな人は「休肝日」を設けますが、筋トレ愛好家も「休腎日」を設けると良いでしょう。

例えば、筋トレを週3回行うためのスケジュールを月曜日・水曜日・金曜日に組んでいる場合は、日曜日がこのケースに該当するようになります。
この日に身体をゆっくり休めてタンパク質の摂取量を抑えておくことで、身体と一緒に内臓も休ませることができます。

何もしない完全休息日のタンパク質摂取量は、「体重×1.0〜1.4g」くらいがオススメです。

タンパク質は一度に大量摂取しても吸収されないので、プロテインのスケジュールを考えよう

筋トレをしない日に摂取すべき、1日あたりのプロテインの量が明らかになったところで、1回あたりの摂取量について考えていきましょう。

プロテインを摂取するときは、1回あたりの摂取量をきちんとコントロールすることが必要になります。
科学的な実験データを元にして、1回のプロテイン摂取量を考えていきましょう。

筋トレをしない時のタンパク質摂取量は、およそ20gが適切になる

一度に身体へ吸収できるタンパク質量には限界があります。
例えば、一度に50gものタンパク質を摂取しても、そのほとんどが吸収されずに排出されてしまいます。
このようにタンパク質を大量摂取すると、肝臓や腎臓に悪いだけでなく、腸内環境が悪化して栄養素の吸収が悪くなってしまいます。

トロント大学のMoore氏らが2009年に行った実験では、軽度の筋力トレーニングを行った後に、摂取するタンパク質量の違いで筋肥大にどのような影響があるかを調査しました。

その結果、20gまでは摂取量に比例して筋肥大効果も高まりましたが、20gと40gでは有意な差が認められませんでした。

albuminFRS

タンパク質摂取量は20gと40gとでは大きな変化は見られない

つまり、身体に吸収されるタンパク質は一度に20g程度が限界だということが分かります。

これは軽度の筋トレを行った結果なので、筋トレをしていないときでも同様かそれより少ない量だと思われます。

結局のところ、ベストなプロテインの摂取量は、1回あたり20gだということになります。

参考:Moore DR, et al. Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men. Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):161-8.

筋トレの効果を最大化するプロテインの摂取タイミングは、3時間ごとに20gずつ

筋トレ後のプロテイン摂取のタイミングについて、オーストラリアのRMIT大学のAreta氏らは研究結果を発表しました。
この実験では、トレーニング経験のある20代の被験者に、異なるプロテインの摂取パターンを実践させて、筋肥大効果の違いを測定しました。

Bouls(=大量摂取)グループは、トレーニング直後に40gのプロテインを摂取して、6時間後に同じ量のプロテインを摂取しました。
Intermediate(=中間)グループは、トレーニング直後に20gのプロテインを摂取して、3時間ごとに同じ量のプロテインを摂取しました。
Pulse(=脈、ここでは少しずつ定期的にという意味)グループは、トレーニング直後に10gのプロテインを摂取して、1.5時間ごとに同じ量のプロテインを摂取しました。

プロテインの摂取量とタイミングについて

プロテインの摂取量とタイミングを3パターンに分ける

つまり、3つのグループはすべて12時間で80gのプロテインを摂取したことになり、違うのはその摂取パターンだけということになります。
その結果、20gのプロテインを3時間ごとに摂取した、Intermediateグループの筋肥大効果が最も高かったのです。

プロテインの摂取量とタイミングについて

FSR(筋肉タンパクの合成速度)は20gずつ摂取するのが一番高いことが良いことがわかる

参考:”Areta JL, et al. Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. J Physiol. 2013 May 1;591(9):2319-31.”

筋トレ翌日のプロテイン摂取スケジュールは、基本的には筋トレ当日と同じ

これまで解説してきたように、筋トレをしてから少なくとも24時間は、筋タンパク質の合成感度の高い状態が続きます。
したがって、筋トレ当日だけではなくその翌日も十分なタンパク質を摂取することで、筋肥大の効果を最大限に高めることができるのです。

そのための最大のポイントは、20g程度のプロテインを3時間おきに摂取するということです。
大まかに考えると、次のようなスケジュールでプロテインを摂取すると良いでしょう。

  • 起床(朝食)時
  • 朝食から3時間後
  • 昼食から3時間後
  • 就寝1時間前

例えば、午前7時朝食・正午昼食・午後11時就寝という日常生活を送っている場合は、具体的に次のようなタイミングでプロテインを摂取するようにするのがベストです。

  • 起床時もしくは朝食と同時に、20gのプロテインを摂取する
  • 午前10時頃に、20gのプロテインを摂取する
  • 午後3時頃に、20gのプロテインを摂取する
  • 午後10時頃に、20gのプロテインを摂取する

筋肥大の効果を最大限に高めながらも、内臓への負担を抑えることができる

重要なポイントは、食事とプロテインをうまく使い分けて、3時間ごとにタンパク質を補給し続けるということです。

タンパク質を用意しにくい朝食だけは例外として、基本的に食事のときにはプロテインを使用しません。
なぜなら、タンパク質の過剰摂取を防いで、あくまで健康的に筋肥大するためです。

また、就寝直前にプロテインを摂取してはいけません。
いくら水分に溶かしていても、プロテインが固形物であることに変わりはないので、プロテインシェイクを飲むと胃が稼働して胃酸の分泌量が増えます。
その状態で寝てしまうと、食道に胃酸が逆流してしまうので問題です。

さらに、このスケジュールではプロテインの総摂取量が80gになり、それから摂取できるタンパク質量はおよそ60gになります。
3食の食事から60g程度のタンパク質を摂取できることを踏まえると、このスケジュールを実践した場合の総タンパク質量は120gです。

ただし、日常生活の都合や前日の筋トレ負荷が軽かった場合は、ひとつ減らして構いません。

これは、当初の目標であった「体重×1.4〜2.0g」をクリアできる数値で、数々の研究によって明らかになっている「腎臓への悪影響の心配がないタンパク質摂取量」です。
つまり、このスケジュールどおりにプロテインを摂取すると、筋肥大効果と安全性ともに完璧だということです。

筋トレの翌々日以降は、筋肉の維持に必要なタンパク質を摂取すれば良い

さて、筋トレの翌日は1回あたり20gのプロテインを3〜4回摂取すれば、十分だということが分かりました。
適切なタイミングで摂取することにより、タンパク質の過剰摂取を防いで、健康的に筋肥大の効果を最大化することができるのです。
それでは、筋トレの翌々日以降はどうすればいいのでしょうか?

筋トレの翌々日以降は、身体の筋タンパク質合成感度も低下するので、それまでほど多くのタンパク質を摂取する必要はありません。
また、多くのタンパク質を摂取しても、身体がそれを吸収しきれないので無駄になってしまいます。
プロテインの摂取を効率的にするためには、筋トレの翌々日以降は摂取量を減らすのがオススメです。

そのための最大のポイントは、やはり20g程度のプロテインを3時間おきに摂取するということです。
大まかに考えると、次のようなスケジュールでプロテインを摂取すると良いでしょう。

  • 起床(朝食)時
  • 朝食から3時間後もしくは昼食から3時間後

例えば、午前7時朝食・正午昼食・午後11時就寝という日常生活を送っている場合は、具体的に次のようなタイミングでプロテインを摂取するようにするのがベストです。

  • 起床時もしくは朝食と同時に、20gのプロテインを摂取する
  • 朝食後3時間後もしくは昼食後3時間後に、20gのプロテインを摂取する

筋肉量の維持に必要なタンパク質だけを摂取して、内臓への負担をできるだけ軽減しよう

実は、このプロテイン摂取スケジュールは、筋トレ翌日のものから「朝食(昼食)から3時間後」と「就寝1時間前」を除いただけです。
筋トレをした当日やその翌日は、身体の筋タンパク質の合成感度が高まることによって筋肥大が行われるため、就寝前のプロテイン摂取が効果的でした。
しかし、それ以降はわざわざ摂取する必要はありません。

さらに、毎日のように就寝前にプロテインを摂取すると、内臓疲労の原因となってしまうことが考えられます。
また、1日あたりのタンパク質の必要量も少なめになるため、食後3時間で摂取するプロテインも1度で構いません。
ただし、まだ筋肉痛を感じる場合は、2度摂取しても大丈夫です。

このスケジュールではプロテインの総摂取量が40gになり、それから摂取できるタンパク質量はおよそ30gになります。
3食の食事から60g程度のタンパク質を摂取できることを踏まえると、このスケジュールを実践した場合の総タンパク質量は90gです。

これは、当初の目標であった「体重×1.0〜1.4g」をクリアできる数値で、腎臓への悪影響を心配する必要もありません。
つまり、このスケジュールどおりにプロテインを摂取すると、安全に筋肉量を維持でき、さらに内臓に休息を与えられるようになります。

適切なプロテインの摂取スケジュールを立てることで、健康的に身体を大きくしていこう

今回は、筋トレをしない日のプロテイン摂取スケジュールについて、次のポイントを詳しく解説してきました。

今回のまとめ

  1. 筋トレをしない日のプロテイン摂取は、「筋トレ翌日」と「筋トレ翌々日以降」に分けて考える
  2. 筋トレをすると「筋タンパク質の合成感度」が高まり、少なくとも24時間はその状態が続く
  3. 筋肥大の効果を最大限に高めるプロテインの摂取スケジュールは、「3時間ごとに20g
  4. 筋トレの翌日は「体重×1.4〜1.7g」のタンパク質を摂取して、筋肥大をサポートしよう
  5. 筋トレの翌々日以降は「体重×1.0〜1.4g」程度のタンパク質に抑えて、内臓を休ませよう
  6. 筋トレ翌日は3〜4回に分けてプロテインを摂取すると、筋肥大と健康面のバランスが良くなる
  7. 筋トレ翌々日以降は2回プロテインを摂取すれば十分で、筋肉量を維持しつつ内臓を休ませることができる

筋トレをする日は、多くのプロテインを摂取することが常識となっています。
しかし、筋トレをしない日のプロテインはどういったタイミングで摂取すればいいのか、なかなか分かりにくいこともあります。
基本的な点ではそれほど大きな違いはありません。

重要なポイントは、筋トレの翌日はまだ身体が多めのタンパク質を必要としているので、通常よりもプロテインの摂取量を増やすことです。
それ以降は、身体と内臓を休ませるためにも、プロテインの摂取量は少なめにするのがポイントです。

また、研究によって1回のプロテイン摂取量は20gがベストで、さらに3時間ごとの摂取が推奨されています。

プロテインの摂取量やタイミングは、筋肥大の効果にそのまま直結していて、さらに健康面でも重要なポイントなので、しっかり意識するようにしましょう。
最適なタイミングでプロテインを摂取して、健康的な筋肥大を目指しましょう!

以上、「筋トレしない日に飲むプロテインの、最も効果が高くなる量とタイミングとは」でした!

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