超回復は間違いではない!正しい理解法について徹底解説

超回復について

筋肉が大きくなる筋肥大を目指すために、多くの筋トレ愛好家がトレーニングに励んでいます。
筋肥大を効果的に行うためには、どういったメカニズムで筋肉が大きくなるのかを知っておく必要があります。

それを説明するために活用されているのが、「超回復」と呼ばれる理論です。
近年では、最新の科学技術によって筋肉の解明が行われており、筋肥大や筋力増強のためのメカニズムが明らかになりつつあります。

そんな中で、従来は常識だとされてきた「超回復」に疑問の声が投げかけられていますが、論理的に考えれば超回復理論が決して間違いではないことが分かります。
そこで今回は、超回復の正しい理解法について、次のポイントを詳しく解説していきます!

この記事でわかること

  1. 超回復理論とは、筋肥大が起こるメカニズムを簡単に説明するためのもの
  2. 超回復理論によると、筋トレ後はその部分を少なくとも48〜72時間は休ませる必要がある
  3. 日本の超回復理論は誤った解釈で作られたものだが、結果的には正しい結論に至っている
  4. 超回復理論の素晴らしい点は、初心者にとって非常に分かりやすい指針となること
  5. 筋肥大を起こすためには単にトレーニングと休養だけではなく、負荷の設定や栄養補給が欠かせない
  6. 筋肉量が増えて中級者に到達すると、超回復理論はあまり当てはまらないようになる
  7. 筋肥大の本来の理論は、身体のストレスへの適応能力を示した生物学の理論を基にしている
  8. 筋肉痛は筋肥大のバラメーターにもなるので、休養期間を設定するときの参考にしよう
  9. 効果的で効率的な筋肥大を目指すために、まずは最も基本的な超回復理論を尊重しよう

超回復とは?

超回復とは、ウエイトトレーニングによる筋肥大のメカニズムを、休養の取り方に焦点を置いて簡単に説明したものです。超回復理論では、高負荷のトレーニングを終えた後は、48〜72時間はその筋肉を休ませるべきだとしています。

筋肥大がどのように起こるのかを簡単に解説したものが、超回復と呼ばれる理論

筋肉を大きく成長させるためには、ウエイトトレーニングで筋肉に負荷をかける必要があります。筋肥大をより効果的に起こすためには、筋肥大がどのようなメカニズムで起こるのかを知っておくと有利です。

基本的な内容を理解するために便利なのが、「超回復」と呼ばれる理論です。

筋トレによって、筋繊維に疲労が蓄積してダメージを受けます。
当然のことながら、身体はダメージを受けた筋肉を修復するわけですが、その修復段階で元よりもごくわずかに大きくなって回復します。
それを繰り返すことによって筋肉はどんどん大きくなる、というのが超回復理論の概要です。

さらに、超回復理論ではトレーニング後に少なくとも48〜72時間の休養をとる必要があり、それが不十分だと筋肉は肥大するどころか逆に痩せてしまうと説明しています。
こういった理論は、筋トレ愛好家にとっては極めて常識的なことで、経験として理解できている場合がほとんどです。

しかし、近年ではネット上で超回復は間違いであると言われています。

ちなみに、超回復という名称から「筋肉がものすごく大きくなる」ように誤解されていることがあります。

そもそも「超(Super)〜」という言葉は「〜を超えている」という意味なので、ごくわずかでも上回れば超回復は成立します。
例えば、音速をわずか時速1kmだけ上回っていても、その速度は「超音速」と表現できます。

参考:『「超回復」って何?(30〜31ページ)』ー「石井直方の筋肉まるわかり大事典」(石井直方著)

超回復理論が間違っているというのは、重箱の隅をつつくような考え方

結論から言うと、超回復の考え方自体が間違っているわけではありません。

超回復を繰り返すと筋肉が少しずつ大きくなっていくことは、多くの研究で裏付けられている事実なので、その点については間違いありません。
もしそれが誤りなら、多くのボディビルダーは間違ったことをしていることになります。

さらに、筋トレ後は48〜72時間経たなければその部分を再び鍛えるべきではないというのも、筋力や筋肉痛の回復時間を考えれば正しいことは自明の理です。
それでは、なぜ超回復理論は間違いだと言われているのでしょうか?
その主な原因は、超回復という名称にあります。

実は、超回復という名称は「Muscle Glycogen Supercompensation(筋グリコーゲンの超回復)」から来たもので、筋肉そのものではなく筋グリコーゲンの回復を示したものです。
その理論が日本に輸入された際に、超回復は筋繊維の回復を説明したものだと誤解されたのです。

参考:Roedde S, et al. Supercompensation of muscle glycogen in trained and untrained subjects. Can J Appl Sport Sci. 1986 Mar;11(1):42-6.

日本の超回復理論は偶然の産物により、間違った経緯を辿りながらも正しい結論を導き出した

筋グリコーゲンとは、筋肉中に蓄えられている糖質の一種で、筋肉が運動する際のエネルギー源となります。
この筋グリコーゲンがトレーニングから24〜48時間後に、貯蔵量が通常よりも増えるというのが、「筋グリコーゲンの超回復理論」なのです。
筋肉のエネルギー源が多いほど筋肉のパフォーマンスも向上するので、筋トレによる筋グリコーゲン貯蔵量の増大は非常に望ましいことです。

海外の「筋グリコーゲンの超回復」理論を、日本人が筋繊維の超回復だと解釈したために、一見おかしな理論になってしまいました。
しかし、日本の超回復理論は後述する汎適応症候群も取り入れたため、結果的には概ね正しいものになったのです。

汎適応症候群は生物学の理論で、身体が外部からストレスを受けたときに身体がどのような反応を示すかを説明したものです。
それによると、筋トレから48〜72時間が経過すると、身体がストレスに耐えるために筋力をわずかに向上させることが分かります。
これは、日本の超回復理論とぴったり一致しています。

つまり、海外の理論が日本に輸入された段階で、その名称が単なる超回復となり、さらに汎適応症候群の理論を取り入れることによって、日本式の超回復理論が誕生したのです。
こういった偶然の産物を間違いだというのは、ペニシリンの存在が間違いだというような、明らかに筋道の通らない話です。

そもそも超回復理論は、筋肥大を簡単に説明するための概念に過ぎない

前述したように、日本の超回復理論は偶然の産物で、元々の理論とは大きく違ってしまっています。
しかし、日本独自のものだから間違いだというのはおかしな論法で、物事の本質から目をそらしてしまう危険な考え方です。

高負荷のウエイトトレーニングを行うと、筋繊維がダメージを受けるため筋力が低下します。
それから48〜72時間ほどで筋肉は修復され、その過程で以前よりごくわずかに強い筋肉になるため、それを繰り返していくと筋力は向上していきます。

確かに、超回復理論は筋肥大のメカニズムのごく一部しか解説していませんし、例外も数多くありますが、それは超回復のそもそもの原点が「筋肥大のメカニズムを簡単に説明する」ことにあり、結果は間違いではありません。

物事は単一の理論ではなく、複数の理論を複合して考えるものです。

ひとつの理論の粗を探して間違いだというのは、ベルヌーイの定理で飛行機が飛ぶ原理を完全に説明できないから、ベルヌーイの定理は間違いだというのと同じで、極めて非論理的です。
このように、現在のネット上には「一見正しいようで、実は何かを批判したいだけ」のような空論が飛び交っているので、妄信せずに自分自身で本質を見極めるように注意が必要です。

超回復は初心者が参考にすべき理論であり、中級者以降は独自の道を模索する必要がある

超回復理論の素晴らしい点は、初心者の方に分かりやすい指針となる点です。
筋トレの経験が少ない初心者は、まだ自分に適切な負荷や休養期間の設定方法が分かりません。
そこで、大多数の人がそれなりの効果を得られる指針が必要になります。

初心者の方はまず超回復理論を参考にして、トレーニングの方法を考えよう

初心者が筋トレの方法を考えるうえで、大きな威力を発揮するのが筋肥大理論です。

筋肥大に十分な負荷を筋肉に与えるためには、軽いウエイトでは意味がないので、最大重量の80%程度という重いウエイトを扱いますが、それを続けるためには適切な休養期間の設定が必要になります。

筋トレはトレーニング自体と同等以上に休養が重要です。
超回復理論を意識すると、同じ部分を再び鍛えるためには、48〜72時間の休憩を挟む必要があると分かります。
それより短い期間で鍛えようとするのは、筋肉痛や疲労の点で物理的に不可能だということは、実際にやってみても分かります。

要するに、超回復は経験を積めば誰でも理解できる当たり前のことを分かりやすく解説している、ある種の哲学とも言えます。

しかし、後述するように筋トレの経験が長くなると、こういった基本に忠実な方法だけでは筋肉の成長が停滞しやすくなります。
そうなったときは、いよいよ超回復理論という普遍的な哲学から離れ、自分自身の哲学を創造していきましょう。

超回復理論は主に休養について解説しているので、負荷や栄養素の管理にも気を配る必要がある

これまで解説してきたように、超回復理論は筋肥大のメカニズムのごく一部を簡単に説明しているに過ぎません。
したがって、効果的な筋肥大を目指すためには、それ以外の点についてもよく留意しておく必要があります。
特に、負荷の設定や栄養の管理は、筋肥大に大きな影響を与えます。

強い負荷を筋肉に与えることで筋肥大が起こりますが、身体はその刺激に慣れていくため、いつまでも同じ負荷をかけ続けていると、筋肉は成長しなくなります。
ここでいう負荷には、単なるウエイトの重さだけではなく、レップ数やセット数も含まれているため、負荷を増やすのはとても簡単です。

また、筋肉に適切な負荷をかけて休養をとっても、しっかりとした栄養補給を行わなければ筋肥大は起こりません。
特に、十分な量のタンパク質と糖質、さらにビタミンやミネラルといった、様々な栄養素をバランス良く摂取することが、筋肥大を効果的にするために欠かせません。
これらを怠ると、超回復理論は意味を成さなくなります。

筋肉量が増えて中級者に到達すると、自分に合うトレーニング方法を模索する必要がある

人間は個体差が大きく、特に筋トレ愛好家は経験年数によって体格が大きく異なるため、万人に当てはまる理論などというものは存在しません。
したがって、ある人には非常に効果的な理論が他の人には全く当てはまらないことも、決して珍しくないのです。

筋肉量が増えてきた中級者以降の方は、単に超回復やその他の基本的な理論に従うだけでは、筋肥大の効果は低下していきます。
なぜなら、私たちが増やせる筋肉量には限界があり、その限界に近づくほど、筋肉が必要とする刺激も増えていくからです。

その領域に到達した後は、自分の体質に合ったトレーニング方法を模索していくことが、さらなる筋肥大を目指すために必要になります。
例えば、スーパーセットやドロップセットを活用して筋肉への刺激を強めたり、もしくは1回あたりのトレーニングの負荷を下げて頻度を高めたり、自分に合うテクニックを選択します。

ただし、いずれの場合でも筋肉への負荷に相応しい休養が必要だという、超回復理論の本質だけは変わりません。
例えば、トレーニングの負荷を下げれば休養期間も短くて良くなり、逆に負荷を強めるなら72時間以上の休養も必要になります。

このように、筋トレは状況に応じて幅広い選択肢を考慮する必要があるので、重箱の隅をつつく議論はあまり意味がありません。

筋肥大の正しいメカニズムは、身体の環境への適応能力によるもの

様々な誤解から生まれた日本独自の超回復理論ですが、幸いなことにその基本的な内容自体は、決して間違っていないことが分かりました。
しかし、筋肥大の効果をより高めるための方法を考えるためにも、元々の超回復理論が参照した、生物学のある理論について理解しておきましょう。

汎適応症候群によって、身体が筋トレの刺激にどのような反応を示すのかが分かる

実は、元々の超回復理論の根底には、生物学の「汎適応症候群」というものがあります。
これはカナダ人の生物学者であるHans Selye(ハンス・セリエ)氏が提唱した理論で、生物が外傷や感染症など何らかのストレスを外部から受けたときに、身体がどのような反応を示すのかを説明したものです。

Selye氏によると、外部からこういった刺激を受けたときは、ストレスの種類とは関係なく身体が特定の防御反応を示します。
身体の反応は次の3段階に分類され、全ての反応を総合して汎適応症候群と呼びます。
段階ごとの特徴を理解して、超回復理論を紐解いていきましょう。

参考:汎適応性症候群(General Adaptation Syndrome : GAS)

警告反応期では、身体がストレスに対応するために防御反応を示す

最初の段階は警告反応期と呼ばれるもので、ストレスを受けたときに身体が反応して警告を発することで、私たちに危険を知らせるものです。
警告反応期は、ストレスによって身体がショック反応を示す「ショック相(受動的反応期)」と、ショック状態を抜け出して身体が本格的にストレスへ適応し始める「反ショック相(能動的反応期)」に分けられます。

最初のショック相では、体温や血糖値が低下して筋肉の収縮機能が抑制されるため、身体のパフォーマンスが低下します。
次の段階である反ショック相で、ストレスに対抗して身体を保護するために、コルチゾールなどのホルモンを分泌して防御態勢に入ります。
身体の異変やダメージが比較的軽い場合は、この時期を過ぎると身体の各機能は次第に回復へ向かいます。

ちなみに、コルチゾールはカタボリックホルモンの一種で、ストレスと闘うエネルギーを生成するために、筋肉を分解する作用があります。
筋トレに関しては、コルチゾールは悪い物質のように考えられることが多いですが、免疫系に作用してストレスやウイルスから身体を守るという重要な働きもあります。

抵抗期ではストレスと身体の抵抗力のバランスが保たれるが、ストレスが続くと次第に衰えていく

警告反応期を過ぎた後も同じようなストレスを受け続けると、身体のストレスに対する適応能力が向上していきます。
身体の対抗力が高まるので、ストレスとのバランスが取れている安定した時期になります。

しかし、やはりストレスに対抗するためにはエネルギーが必要なので、コルチゾールなどのカタボリックホルモンの分泌量は多くなります。
そのままストレスを受け続けると、次第にエネルギーが不足していき、ストレスと抵抗力のバランスも崩れていきます。

およそ1〜3ヶ月かけて身体の抵抗力は徐々に衰えていくため、身体はストレスと闘う力を失っていき、ショック相で現れたような症状が再発します。
それでもストレスが続く場合は、最終段階の疲弊期へ移行してしまいます。

十分な休養が与えられずにストレスを受け続けると、身体が疲弊して最悪の場合は死に至る

疲弊期では長期間のストレスによって身体が疲弊して、エネルギーも不足しているためストレスに抵抗できない状態になります。
この状態に陥ってもストレスが続いている場合、さらに抵抗力が弱まってパフォーマンスが低下するという、悪循環に陥ってしまいます。

抵抗期では保たれていたストレスと身体の抵抗力のバランスも崩れるため、警告期で見られたような身体の異変やダメージが再び現れ、次第に症状は悪化していきます。
そのまま放っておくと死に至るという、恐ろしい状態です。

疲弊期を脱出するためには、そのストレスが完全に無くなるか、現在の体力で対抗できるくらいストレスが弱くなる必要があります。
このように、ストレスは身体に大きなダメージを与えるので、強いストレスを長期間受け続ける場合は要注意です。
これは筋肉に強い負荷をかけるウエイトトレーニングでも同様です。

筋肥大を順調に続けていくためには、負荷に応じた休養日が必要である

何度も繰り返してしまいますが、超回復理論は筋肥大のメカニズムのうち、主に「休養」に焦点を当てたものです。
いくらトレーニングを頑張っても、休養や栄養素の摂取が十分でなければ、筋肉量は増えるどころかむしろ減ってしまいます。
超回復理論では、負荷に応じた休養をとる必要があると説いているのです。

先ほどのSelye氏が提唱した汎適応症候群が超回復理論に結びついていることは、何となく分かるのではないでしょうか。
汎適応症候群は、身体がストレスに対してどのように反応するのかを示したものですが、それはウエイトトレーニングのような筋肉へ負荷をかけるものでも同様です。

筋トレ初心者の方が高負荷のウエイトトレーニングを行った場合は、今まで経験したことのないストレスが掛かるため、最初の警告反応期が現れます。
筋肉へのストレスによって筋肉がダメージを受けるため、炎症が発生して筋肉痛という形で身体は警告を発します。

低下した筋力や筋肉へのダメージは次第に回復し始め、ストレスに抵抗する反ショック相が現れる48〜72時間で、筋力は以前よりわずかに向上してピークを迎えます。
こういったストレスによるダメージと、ダメージへの対抗によって筋力は次第に向上していきます。
ただし、これは適切な休養期間をしっかり取った場合の話です。

筋トレ後の休養期間が短すぎる場合は、抵抗期から疲弊期へ移行してしまう

筋トレで筋肉に強い刺激を与えた後は、少なくとも48〜72時間の休養をとるべきですが、これが不十分な場合は抵抗期に差し掛かります。
抵抗期では、筋肉へのストレスと身体の抵抗力が拮抗しているため、しばらくの間は安定していますが、筋力の向上は止まります。

筋力が向上しないにも関わらず無理に筋トレを続けている場合は、次第に身体の疲労が蓄積して、筋肉のパフォーマンスが明らかに低下していきます。
これはオーバートレーニングと呼ばれる状態で、トレーニングの記録も低下していくので精神的なダメージも大きくなります。

それにも関わらず、さらに不十分な休養でトレーニングを続けていくと、身体のエネルギーが枯渇して、生命の維持に必要な身体の機能にも著しい支障をきたします。
最悪の場合は死に至ることもあるので、オーバートレーニングに陥らないように注意が必要です。

もっとも、実際にはこういった状態に陥る前に、ひどい筋肉痛で身体が動かなくなるので、そもそも筋トレを行うこと自体が不可能になります。

重要なポイントは、しっかりと休息をとらないと、疲労の蓄積によって身体のパフォーマンスが低下し、筋肥大が止まってしまうということです。
したがって、筋肥大のためには負荷に応じた休養が極めて大切なのです。

同じ部分を強い負荷で鍛える場合は、前回のトレーニングから少なくとも48〜72時間はあけよう

トレーニングの周期に関しては、やはりトレーニング終了後48〜72時間が最適です。
ただし、必ずしもその期間内に次のトレーニングをしなければならないということではなく、1週間ほど期間があいても構いません。
なぜなら、トレーニング後48〜72時間のピークを過ぎた後でも、筋力が向上している状態はしばらく続くためです。

例えば、大胸筋のトレーニングを毎週月曜日に行う場合は、おのずとトレーニングの周期は1週間ということになりますが、筋肥大はしっかり起こるので心配ありません。
それよりも重要視すべきなのは、強い負荷を扱うトレーニングを行った後は、少なくとも48時間以内にその部分を再び鍛えないようにすることです。

前述したように、休養期間が十分でないと抵抗期に突入し、筋力が向上せずに停滞してしまいます。
超回復を上手に活用して筋肥大効果を高めるために、負荷に応じた休養期間を設定するようにしましょう。
身体が必要とする休養期間を見極めるためには、筋肉痛が分かりやすいバロメーターとなります。

筋肉痛は身体が発する警告の一種なので、筋肉痛があるときはその部分のトレーニングは行ってはいけない

重いウエイトを扱うトレーニングを行うと、超回復が起こって筋肉が大きくなるというのは、これまで解説してきたとおりです。
しかし、トレーニングの後に発生する筋肉痛と超回復には、どのような関係があるのでしょうか?
筋肉痛が発生することで筋肉が大きくなるが、筋肉痛がないと筋肥大は起こらない、という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、実際にはそれほど正確な関連性があるわけではなく、筋肉痛と筋肉の成長の因果関係はまだ証明されていません。
現在考えられている理由は、筋肉を修復しているときに発生する炎症や、警告反応期における身体が発する警告が原因ではないかというものです。
つまり、筋肉痛があるときは筋肉がまだ修復段階だということなのです。

いずれの説の場合でも、筋トレで筋肉にダメージを与えた結果として筋肉痛が発生しているので、とりあえずトレーニングは成功していると考えて間違いないでしょう。
逆に言えば、筋肉痛を感じないときは身体がストレスに慣れていることを意味するので、負荷を強める必要があるかもしれません。

超回復理論を適切に理解して、効率的な筋肥大を目指そう

今回は、超回復の正しい理解法について、次のポイントを詳しく解説してきました。

今回のまとめ

  1. 超回復理論とは、筋肥大が起こるメカニズムを簡単に説明するためのもの
  2. 超回復理論によると、筋トレ後はその部分を少なくとも48〜72時間は休ませる必要がある
  3. 日本の超回復理論は誤った解釈で作られたものだが、結果的には正しい結論に至っている
  4. 超回復理論の素晴らしい点は、初心者にとって非常に分かりやすい指針となること
  5. 筋肥大を起こすためには単にトレーニングと休養だけではなく、負荷の設定や栄養補給が欠かせない
  6. 筋肉量が増えて中級者に到達すると、超回復理論はあまり当てはまらないようになる
  7. 筋肥大の本来の理論は、身体のストレスへの適応能力を示した生物学の理論を基にしている
  8. 筋肉痛は筋肥大のバラメーターにもなるので、休養期間を設定するときの参考にしよう
  9. 効果的で効率的な筋肥大を目指すために、まずは最も基本的な超回復理論を尊重しよう

超回復理論は筋トレ愛好家の常識だとされてきましたが、近年ではそれに疑問を投げかける声が少なくありません。
しかし、その大半が取るに足らない細かな点を指摘するものであったり、理論の本質を理解していないものであったりするので、建設的で意義のあるものだとは決して言えません。

多くの筋トレ愛好家の経験や科学的な研究によって、48〜72時間程度の休養を挟んで高負荷で筋肉を鍛え続けると、筋肉が大きくなっていくことは明らかな事実だと証明されています。
特に、初心者の方はまだトレーニングの経験や知識が身についていないため、最も基本的な理論である超回復を意識した筋トレを行うようにしましょう。

ただし、超回復理論は筋肥大のごく一部しか説明していないため、それ以外の点については別の理論をよく理解して実践する必要があります。
特に、筋肉量が増えて中級者に到達した後は、自分に合う筋肥大理論を模索して鍛えていくことが大切になります。
広い視野で様々な知識を身につけて、健康的で効率的な筋肥大を目指していきましょう!

以上、「超回復は間違いではない!正しい理解法について徹底解説」でした!

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