筋トレ愛好家が必ずといっても良いほど愛用しているのが、プロテイン・BCAA・クレアチンの三大サプリメントです。
これらのサプリメントを活用することで、筋肥大の効果をかなり高めることができます。
しかし、こういったサプリメントをただ同時に摂取するだけでは、せっかくの効果も半減してしまいます。
そこで今回は、プロテイン・BCAA・クレアチンの効果的な摂取方法について、次のポイントを詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- プロテインの摂取量やタイミングは、トレーニングの強度や経過日数によって変えるべき
- プロテインは一度に大量摂取するのではなく、適量を3時間ごとに摂取するのが最も効果的
- BCAAの摂取に最適なタイミングは、筋トレの30分前とトレーニング中で、合計10〜15gの摂取量が望ましい
- クレアチンは食後に摂取するか、トレーニング直後に糖質と一緒に摂取するのが良い
- クレアチンはローディングの有無に関わらず、トレーニング当日は1日5gの摂取が理想的
- トレーニングの目的に応じて、必要なサプリメントとそうでないものを判断しよう
- サプリメントは適当にまとめて摂取してしまうのではなく、スケジュールを組むと効果が高まる
Contents
プロテインの摂取量やタイミングについて
プロテインは最も効果的なサプリメントのひとつです。
特に考えずに摂取してもそれなりの効果はありますが、せっかく摂取するならできるだけ効果的で身体にも優しい方がいいですよね。
プロテインの効果を高めるコツは、状況に応じて摂取量やタイミングを調整することです。
タンパク質の必要量はトレーニングの強度によって変わる
身体が必要としているタンパク質の量は、筋トレの強度やそのときの状況によって異なります。毎日同じ量のプロテインを摂取し続けるのは、経済や健康の観点からも良くありません。その日に必要なプロテイン摂取量が分かれば、摂取スケジュールも立てやすくなりますよね。
トレーニングの強度が高いほど、より多くのタンパク質の摂取が必要になります。筋トレの強度が高ければ筋肉への刺激も強くなり、筋肉を修復するためにより多くのタンパク質が必要になるからです。
ハードな筋トレを行う日のタンパク質の摂取目安量は、体重1kgあたり2g程度なので、体重70kgの場合は100〜140gになります。
通常の食事を1日3回しっかり食べていれば、体重×1gのタンパク質は食事から摂取できます。したがって、残りの「体重×1g」をプロテインから摂取することになりますが、タンパク質含有量を考慮する必要があります。
例えば、体重70kgの人がタンパク質含有量70%のプロテインを使用する場合は、プロテインの摂取量は1日あたり約100gということになります。
その一方で、筋トレをしない日は「体重×0.5〜0.8g」程度の、やや少なめの摂取量にすると良いでしょう。
身体が必要とするタンパク質の量は、運動量によって大きく異なってくるので、このようにダイナミックに摂取量を変更するのがオススメです。
プロテインは一度に大量摂取するのではなく、複数回に分けて摂取する
一度に50gのプロテインを摂取しても、大半は身体に吸収されずに排出されるか、体脂肪として蓄積されてしまいます。一回あたりに摂取するタンパク質量に関しては、およそ20〜30gが適切だと考えられています。
ただし、筋トレ直後は体内の筋タンパク質の合成感度が高くなるので、30〜40gのプロテインを摂取しても、十分に吸収されることが分かっています。
したがって、1日あたり100gのプロテインを摂取する場合は、4〜5回に分けて摂取すると最適だということになります。
筋トレをしない日は、20〜30gのプロテインを毎回摂取するようにしますが、前回の筋トレからの経過日数によって1日の回数を調整しましょう。
例えば、筋トレ翌日はまだ身体が多くのタンパク質を必要としているので、3〜4回の摂取が望ましいです。
それ以降の場合は、2回も摂取すれば筋肉量の維持に十分です。
BCAAは筋トレ前とトレーニング中に摂取する
プロテインが筋肥大を直接的にサポートするサプリメントなのに対し、BCAAはトレーニングのパフォーマンスを高めるためのものです。
さらに、BCAAはアミノ酸であるため吸収が速いという特性もあり、トレーニングの前に摂取することで効果が高まります。
したがって、BCAAはトレーニング時に活用するのが最も効果的なのです。
BCAAを摂取する絶好のタイミングは、トレーニング開始の30分前
BCAAには筋肉に分解を防いで合成を促進させたり、集中力を高めたりするという素晴らしい効果があります。
したがって、BCAAは適切なタイミングに摂取すると、効果を感じやすいサプリメントです。
BCAAを摂取してもあまり効果を感じられない場合は、摂取するタイミングを間違ってしまっていることが多いです。
BCAAを摂取するのに最も適したタイミングは、トレーニングを始める30分前です。
BCAAはアミノ酸なので吸収が速く、摂取してからわずか30分で血中濃度が最大になります。
筋トレの30分前に摂取することで、筋トレ開始時にはBCAAの効果を活かすことができるのです。
筋トレ中は大量の汗をかくので、スポーツドリンクなどで水分補給を行うはずですが、筋トレ前にもBCAAを溶かしたスポーツドリンクを飲むようにしましょう。
終盤は糖質からのエネルギー供給が枯渇してしまい、筋肉のエネルギーが足りなくなります。
筋トレの前にBCAAを摂取しておくと、筋肉の分解を防ぎやすくなるのです。
筋肉のパフォーマンスを高く保ち続けるために、トレーニング中もBCAAを補給し続けよう
BCAAは筋トレ前に摂取するだけでも十分な効果を得られるのですが、ハードなトレーニングをこなすときは、それだけ大量のエネルギーが必要です。
BCAAの消費量もより多くなるので、トレーニング中もこまめに補給し続けると、BCAAの効果をより体感しやすくなります。
筋トレ前の摂取時と同じように、水分補給用のスポーツドリンクなどに混ぜて飲むのがオススメです。
BCAAを混ぜたドリンクを用意しておくと、トレーニング中も自然に水分とBCAAの補給を両立できるのでオススメです。
また、筋トレ中にBCAAを摂取するようにすると、トレーニング終了後も筋肉中へのBCAA供給がしばらく続きます。
筋トレ直後は筋肉の分解を促進させるコルチゾールの分泌量が増えてしまいますが、BCAAの働きで筋分解を抑えることができると考えられています。
BCAAは筋トレ前とトレーニング中の合計で、10〜15g程度を摂取することが望ましい
BCAAの適切な摂取量は意外と知られていませんが、ハードな筋トレをする場合は合計で10〜15gくらいが適切だと考えられています。
BCAAのサプリメントには、トレーニングの効果を高める他の物質が配合されていることもあるので、BCAAの配合量を確認してサプリメントの使用量を設定しましょう。
筋トレ前とトレーニング中の分量は、基本的には同じで構いません。
つまり、筋トレ前にBCAAを5〜7gくらい溶かしたドリンクを飲み始め、さらに同じ分量をトレーニング中に飲み続けるのがベストです。
そうすると、筋肉へのBCAA供給が止まってしまうことはないので、筋トレのパフォーマンスが高まります。
筋トレ前のBCAAドリンクは一気に飲み干すのではなく、30分前から少しずつ飲んでローディングを行うようにしましょう。
トレーニング中は、セット間のインターバルに一口ずつ飲むようにすると、脱水症状の防止とBCAAの安定補給を両立できます。
BCAAはトレーニング後に摂取してもほとんど効果はないので、摂取タイミングを意識しよう
BCAAはトレーニング後に摂取してもあまり効果はありません。
BCAAはトレーニングのパフォーマンスを高めるのが主な目的だからです。
特に、就寝前にBCAAを摂取すると寝付きにくくなるなどの悪影響があります。
血液中のBCAA濃度が高くなると、相対的にトリプトファンの濃度下がるので、リラックスしにくくなってしまうのです。
筋トレの後は十分な睡眠をとることが欠かせないので、筋肥大の効果を高めるためにBCAAを摂取しても、睡眠の質が下がって逆効果になりかねません。
通常のアミノ酸は就寝前に摂取すると良いことが多いのですが、BCAAは特殊なアミノ酸なので、あくまで筋トレ前とトレーニング中のみ摂取するのが無難です。
クレアチンは食後に摂取するか、トレーニング直後に糖質と一緒に摂取するのがオススメ
クレアチンには2種類の摂取方法があり、クレアチンローディングを行う場合は1日20gを摂取することになります。
ローディングが終わった後のメンテナンス期では、1日5gを摂取します。
ローディングを行わない場合は、メンテナンス期と同じく1日5gの摂取を続けることになります。
基本的にはどちらも摂取量が同じになるため、サプリメントの摂取スケジュールを考える場合は、1日あたりの摂取量を5gとして考えると分かりやすくなります。
クレアチンの摂取はタイミングが大きなポイントになるので、ここを押さえておくと効果を得やすくなります。
より効果を高めるために、食後かトレーニング直後に摂取しよう
実は、クレアチンは身体への吸収があまり良くありません。
クレアチンは適切に摂取すれば高い効果を得られるサプリメントですが、摂取するタイミングが大切になります。
クレアチンの摂取に適したタイミングは、食後かトレーニング直後です。
クレアチンはインスリンの働きによって、筋肉へ送り届けられます。
したがって、食後にクレアチンを摂取することで、吸収効率を高めることができるのです。
トレーニング直後に摂取する場合は、フルーツジュースのような高糖質な飲み物と一緒が望ましいです。
ただし、フルーツジュースに混ぜる場合は、オレンジジュースやグレープフルーツジュースのような酸の強いものは避けましょう。
クレアチンは酸に弱いため、酸性の液体に混ぜると「クレアチニン」に変性して役に立たなくなってしまいます。
グレープジュースやアップルジュースを使用すると良いでしょう。
クレアチンはプロテイン等と違って、作り置きしてはいけない
クレアチンはプロテイン等と同じようにパウダー状のものが主流なので、摂取するときは液体に溶かして飲みます。
トレーニング後すぐに摂取できるように、あらかじめプロテインシェイクを作り置きしておくこともあるのではないでしょうか。
しかし、クレアチンの場合は作り置きをしてはいけないのです。
酸性の液体でなくても、クレアチンは水分に溶かして数時間以上経過すると、クレアチニンに変性します。
一度クレアチニンになると、クレアチンとしての役目を果たさなくなってしまいます。
面倒でも、クレアチンドリンクはその都度作るようにしましょう。
各サプリメントの摂取スケジュールを、目的別に確認していこう
プロテイン・BCAA・クレアチンの三大サプリメントの基本的な内容を確認してきました。
目安となる摂取量や摂取タイミングは分かりましたが、これら3つのサプリメントを総合した摂取法は、どのようにすればいいのでしょうか。
目的別に詳しく見ていきましょう!
とにかく身体を大きくしたい場合、筋トレ当日は全てのサプリメントを贅沢に使おう
筋肥大の効果をできるだけ高めるためには、サプリメントの活用が欠かせません。
サプリメントは高価な物なので、どんどん使うともったいないような気がしますが、適切に使うサプリメントは必ず大きな身体の材料になります。
まず、プロテインは冒頭で解説した「体重×1g」をしっかり摂取できるようにします。
重要なポイントは、大量摂取を少ない回数行うのではなく、適切な量を高回数摂取することです。
タンパク質は3時間おきに摂取すると、筋肥大の効率が最も高まることが明らかになっています。
次にBCAAですが、これは筋トレの30分前とトレーニング中に摂取すれば良いので単純です。
全体で10〜15gを摂取するのが理想的なので、その半分の5〜7.5gを2回に分けて摂取すれば良いということになります。
ただし、サプリメントによってはBCAA以外の栄養素が多く含まれているものがあるので、プロテインと同じように含有量に応じて調整しましょう。
クレアチンは食後に摂取する場合と、筋トレ直後にプロテインと同時に摂取する場合があります。
筋肉への吸収効率という点では、筋トレ直後にプロテインシェイクに溶かして摂取する方が効果的です。
ただし、糖質を含むフルーツジュースも同時に摂取するように注意が必要になります。
プロテインは4〜5回摂取して、それにBCAAやクレアチンを上手に絡ませよう
これまで解説してきたように、複数のサプリメントを併用する場合は、ただ同時に摂取するだけでは十分な効果を得られません。
できるだけ効果を高めるためには、それぞれのサプリメントに最適なタイミングで摂取する必要があります。
具体的には、次のようなスケジュールを組んでみると最適です。
- 起床時もしくは朝食と同時に、プロテインを20〜25g摂取する
- 朝食から3時間後に、プロテインを20〜25g摂取する
- 昼食から3時間後に、プロテインを20〜25g摂取する
- トレーニングを行う30分前に、BCAAを5〜7.5g溶かした1杯目のドリンクを飲む
- トレーニング中のインターバルなどの時間に、BCAAを5〜7.5g溶かした2杯目のドリンクを飲み続ける
- 筋トレ直後に、プロテイン30〜35gとクレアチン5gを溶かしたシェイクを摂取して、フルーツジュースを100〜200ml飲む
- 就寝の1時間前に、プロテインを20〜25g摂取する
サプリメント単品での摂取タイミングは分かっていても、複数のサプリメントを組み合わせる場合は、摂取量やタイミングが不明瞭になってしまうことがあります。
このようなサプリメントの摂取スケジュールを組むと、筋肥大の効果をできるだけ高めることができます。
ダイエット目的で筋トレを行う場合は、クレアチンの摂取は必要ない
ダイエット目的で筋トレを行う場合も、サプリメントの使用が筋肥大の効果を高めるため、相乗効果でダイエット効果もより高まります。
しかし、痩せることが第一目標の場合は、トレーニングの負荷もそれほど高くないことが多いため、プロテインやBCAAの使用量はやや少なめで構いません。
また、クレアチンの摂取は必要ありません。
クレアチンはトレーニングの負荷を高めてくれますが、身体がむくみやすくなるというデメリットがあります。
クレアチンには筋肉へ水分を引き込む作用があるので、使用を続けていると筋肉が少し腫れぼったくなることがあるのです。
したがって、ボディビルダーは大会の数週間前からクレアチンの使用を止めることが多いです。
ダイエット目的で筋トレを行う方も、ボディラインは常にはっきりさせておきたいのではないでしょうか。
筋肥大目的のトレーニングとは異なり、限界まで負荷を高めることもないため、クレアチンを使用する必要はありません。
トレーニングの負荷に応じて、プロテインとBCAAの摂取量を調整しよう
一般的に、ダイエットのためにトレーニングをする場合は、有酸素運動も併せて行うことが多いため、筋肥大目的の筋トレより負荷が多少軽めになります。
サプリメントの摂取量は、トレーニングの負荷に応じて調整するのが定跡なので、プロテインやBCAAの摂取量もやや少なめにすると良いでしょう。
具体的には、次のようなスケジュールを組んでみると最適です。
- 起床時もしくは朝食と同時に、プロテインを20〜25g摂取する
- 朝食もしくは昼食から3時間後に、プロテインを20〜25g摂取する
- トレーニングを行う30分前に、BCAAを4〜6g溶かした1杯目のドリンクを飲む
- トレーニング中のインターバルなどの時間に、BCAAを4〜6g溶かした2杯目のドリンクを飲み続ける
- 筋トレ直後に、プロテインを30〜35g摂取する
- 就寝の1時間前に、プロテインを20〜25g摂取する
BCAAドリンクですが、一度に8〜12gを溶かしたドリンクを作っておいて、筋トレ30分前とトレーニング中に半分ずつ飲むという方法でも構いません。
このようなスケジュールを組んでおくと、筋肥大の効率も高まるため、ダイエットにも効果的です。
筋トレをしない日は、基本的にはプロテインだけを摂取すればいい
筋トレやダイエットなどの目的に関わらず、筋トレをしない日はプロテインだけを摂取すれば十分です。
クレアチンを使用している場合は、筋トレをしない日は2〜3g程度を摂取しておけば良いですし、長期間使用し続けている場合は1〜2日程度なら飲まなくても大丈夫です。
また、BCAAのサプリメントは、筋トレをしない日に飲んでも意味がありません。
サプリメントは適材適所に使用するのが良いので、筋トレをしない日のサプリメントの摂取スケジュールも立てて、筋肥大の効果を高めましょう。
具体的には、次のようなスケジュールを立てると良いでしょう。
- 起床時もしくは朝食と同時に、プロテインを20〜25g摂取する(クレアチンを使用する場合は、プロテインシェイクに2〜3g程度混ぜると良い)
- 朝食もしくは昼食から3時間後に、プロテインを20〜25g摂取する
筋トレをする日と比べると、とても少ないような気がしますが、実はこれでも十分なのです。
前日のトレーニングがハードなもので筋肉痛がひどい場合は、朝食3時間後と昼食3時間後の両方にプロテインを飲むようにすると効果的です。
サプリメントの摂取スケジュールは、このように状況に応じてダイナミックに変える方が、より効率的になります。
サプリメントの摂取スケジュールをしっかり立てて、理想の身体に近づこう!
今回は、プロテイン・BCAA・クレアチンの効果的な摂取方法について、次のポイントを詳しく解説してきました。
今回のまとめ
- プロテインの摂取量やタイミングは、トレーニングの強度や経過日数によって変えるべき
- プロテインは一度に大量摂取するのではなく、適量を3時間ごとに摂取するのが最も効果的
- BCAAの摂取に最適なタイミングは、筋トレの30分前とトレーニング中で、合計10〜15gの摂取量が望ましい
- クレアチンは食後に摂取するか、トレーニング直後に糖質と一緒に摂取するのが良い
- クレアチンはローディングの有無に関わらず、トレーニング当日は1日5gの摂取が理想的
- トレーニングの目的に応じて、必要なサプリメントとそうでないものを判断しよう
- サプリメントは適当にまとめて摂取してしまうのではなく、スケジュールを組むと効果が高まる
サプリメント単体での摂取タイミングは知っていても、いざ実践で活用しようとすると、他のサプリメントとの組み合わせに悩むことがあります。
そのため、筋トレのメニューと同じようにサプリメントのスケジュールも立てておくと、より効果的なタイミングで全てのサプリメントを摂取できるようになります。
トレーニングの目的によって、必要なサプリメントやその摂取量も異なるので、目的に応じてスケジュールを組むと無駄を省けます。
トレーニングだけではなく、サプリメント選びも筋トレの一環です。
いろいろなサプリメントを適材適所に使用して、理想の身体を手に入れましょう!